フローリングの耐用年数・長持ちさせるポイントは?

「フローリングの耐用年数は10~20年!メンテナンスや張替の目安を解説」

キズやヘコミ、変色などによるフローリングの劣化にお困りではありませんか?フローリングには耐用年数があるため、丁寧に使っていたとしても、定期的にメンテナンスや張替えを行う必要があります。

この記事では、フローリングの耐用年数と長持ちさせるためのメンテナンス方法、寿命を迎えてしまった場合の張替えについて解説します。

■フローリングの一般的な耐用年数(寿命)は10~20年

「耐用年数」というのは、減価償却資産がどのくらいの年数、利用に耐えうるのかという意味です。この意味での耐用年数の場合、国土交通省のガイドラインでは、「フローリングの耐用年数は建物に準じる」と定められています。そのため、木造であれば22年、鉄骨造であれば34年、鉄筋コンクリートであれば47年と、建物の構造によって変動します。

また、「フローリングの寿命」という意味での耐用年数であれば、だいたい10~20年程度になります。もちろん、これはあくまで目安ですので、フローリングに用いられている素材や利用環境によって、もっと早く傷んでしまうこともあれば、もっと長く使えることもあります。

■フローリングの寿命を縮める原因はキズ、日焼け、水分

続いて、フローリングの寿命を短くしてしまう要因を1つずつ見ていきましょう。

① キズ
家具を引きずったり、重い物を落としたりするとキズに繋がります。また、突発的な衝撃以外にも、よく歩く廊下や部屋などのフローリングにも擦れることによって傷がつきやすい傾向があります。傷ついた箇所がとっかかりとなってさらに深く傷つけてしまったり、傷口から水分が入り込んでしまったりすると、フローリングの劣化はさらに進行してまいます。

②日焼け
南向きの部屋や日当たりのいい部屋のフローリングは特に昔の色と全く違うなど、フローリングは紫外線の影響も受けます。最近では、紫外線をカットする窓ガラスもありますが、実際カットできる紫外線は50%程度です。紫外線によってフローリングが日焼けすることで、黄変や白化、ひび割れにも繋がります。

③水分
フローリングは木材であるために、水分からも影響を受けます。トイレやキッチン、洗面所での水はねや、雑巾がけ、ペットの尿などでフローリングに水分が侵入し、剥離や腐食、変色などを引き起こします。

■フローリングを長持ちさせるためのお手入れ方法

フローリングを長持ちさせるためには、日々のお手入れが重要です。

①掃除は乾拭き、水をこぼしたらすぐに拭く
前述したように、水分はフローリングの寿命縮めます。フローリングが剥がれてしまわないために掃除の際は水拭きを避けましょう。水をこぼしてしまった場合は、フローリングに水分を侵入させないためにすぐに拭き取るようにしましょう。

②薬品の付いたモップや化学雑巾は避ける
アルコール等の薬品の付いた掃除用具(モップや雑巾、ウェットシート)の使用は避けましょう。床のべたつきや黒い垢を発生させ、今後ワックスがかけづらくなる等の問題が起こりやすいです。

③フローリングの種類に適したワックスを選ぶ
フローリングを良い状態で保つために、ワックスを使用することも一つの方法です。そのためにはフローリングの種類を理解したうえで、それに合ったワックスを選ぶことが大切です。

(ア)フローリングの種類
フローリングの種類は、大きく無垢フローリングと複合フローリングの2つに分けられます。

無垢フローリングは自然の木を素材とし、調湿作用があり肌触りや香りが良いです。柔らかいため傷がつきやすいですが、同時に傷がついた際に補修ができます。しかし、水分の影響を受けやすいため、収縮や反りが発生しやすいです。

複合フローリングは合板や集成材などの表面に薄い天然木や特殊シートが貼られたもので、収縮や反りがなく木材が安定しています。しかし無垢フローリングと違って質感が硬く、傷がついてしまった際の補修ができません。

(イ)ワックスの種類
フローリング用のワックスには大きく分けて3種類あります。フローリングワックスと呼ばれるロウを主成分とした水性のワックスと、ハードコーティングと呼ばれる油を主成分とした油性のワックス、様々な合成樹脂が主成分の樹脂ワックスです。

水性ワックスは有機溶剤が入っていないため安全に使用でき、耐久性は5年程度です。油性ワックスには有機溶剤が入っているものと入っていないものがあり、耐久性は10年程度から、長いものでは30年程度とされています。

樹脂ワックスは成分となる合成樹脂によってワックスの性質や仕上がりが異なります。そのため、様々な種類の樹脂ワックスがあります。一般的に流通しているワックスも樹脂ワックスで、油性ワックスと同じく耐久性は高いですが、どちらも無垢フローリングに使用することはできません。

④暖房器具で長時間温めない
電気カーペットやヒーター、ストーブ等の暖房機器の使用により、表面にひび割れが生じたりフローリングのつなぎ目に隙間ができたりします。その対策として、フローリングの表面に断熱シートを敷く必要があります。またヒーターやストーブの場合は、温風が直接当たる部分を中心に小さなマットを敷くなどのフローリングへのダメージ対策が必要です。

⑤重いものは置いたままにせず、重さを分散させるよう工夫
キャスター付きの棚やオーディオ機器などを設置した際に一点に重さが集中してしまう場合、フローリングに傷やヘコミなどを作ってしまいます。その対策として重さを分散させるためにキャスター受けやインシュレーターの使用することをおすすめします。または、小幅の板を挟むだけでも一点への重さ集中を防ぐことができます。

■張替えのタイミング!チェックポイント7つ

以下が張替えの目安となる劣化状況です。1つでも当てはまった場合は、フローリングの張替え時期です。

①フローリングの上を歩いたときに床が沈んだような感じがする
②フローリングが反っていてつまずく可能性がある
③床鳴りがひどい(ミシミシと音がする)
④日光の当たる場所の色褪せがひどい
⑤フローリングの表面の剥離が目立つ
⑥大きな傷や汚れ、変色が目立つ
⑦複合フローリングの場合、表面が剥げて中の基材が露出している

■張替えではなく再生という選択肢も

張替えはフローリングが完全に新品になるというメリットはあるものの、費用がどうしてもかさんでしまうというネックがあります。そんな場合には、「フローリング再生」という選択肢を検討してみてください。これは劣化の状態に合わせて職人が適切なリペアを施す工法で、コストは張替えの半分程度で、フローリングを新品の80%程度まで再生させることができます。

■まとめ

フローリングは10~20年程度が耐用年数の目安になります。フローリングを劣化させてしまう原因を取り除き、丁寧に使えば耐用年数を伸ばすことができますが、いつかは寿命を迎えてしまうでしょう。

その様な場合には、フローリングの張替えを検討してみてください。コスト重視の方には、フローリング再生もおすすめです。