「フローリング補修を自分でやる?業者にする?判断基準は」
「フローリング補修はDIYできる?業者に頼むべきケースと自分でできるケース」
住宅の床材には様々な種類がありますが、現在最も主流なものがフローリングですね。
部屋全体が明るく見えて、掃除が簡単にできるなど様々なメリットがあります。
一方で、普通に生活していてもフローリングにキズを付けずにいるのは難しいことです。
家具を引きずって擦りキズができたり、重い物を床に落として凹ませたりすることもあります。
新品の状態が綺麗な分、フローリングはキズが付くと気になるもの。
そこでこの記事では、フローリングについてしまったキズ補修について見ていきます。
DIYで直せる場合と業者に頼まなければならない場合の2つがあるので、それぞれのケースについて紹介していきます。
フローリングのキズが気になっている人はぜひ目を通してみてください。
■フローリングをDIYで補修する方法
フローリングのキズはDIYで補修することができます。ただし、浅いキズや凹み、フローリングの剥がれなどに限った話になります。状態が悪くなってしまうとDIYでは手に負えなくなってしまうので、「DIYはごく簡単なキズのみ直せる」と考えておきましょう。
ーフローリングのキズのDIY補修
まず、家具を引きずったりしてできる擦りキズをはじめとした小さなキズの補修方法を紹介していきます。
一番手軽で特に技術も必要がないものが、フローリング用のキズ隠しテープを使うことです。キズの大きさに合わせてテープを切って、キズが付いた部分に貼るだけなので簡単です。フローリングの上から貼るので、部屋のフローリングの色に合わせる必要がありますが、カラーバリエーションも豊富に揃っているので、小さなキズであれば、完璧とはいかないまでも、ある程度目立たなくすることができます。
また、塗料や修復材を塗ってキズを目立たなくする方法もあります。これもテープと同様にキズついた部分に塗るだけでキズが目立たなくなるので、短時間で手軽に作業を済ませたい人にはおすすめです。
上の2つに比べると多少手間はかかりますが、クレヨンのような固形塗料をキズに埋めて補修する方法もあります。これは、キズついた部分をキレイにして固形塗料をキズに押し当てて、熱で溶かして埋めるというものです。色味が数種類用意されているものが多いので、上手く調合して部屋のフローリングの色に合わせることもできます。
ーフローリングの凹みのDIY補修
次にフローリングの凹みですが、なんとアイロンで補修できるのです。濡らした布をフローリングの凹み部分に置いて、布の上からアイロンを押し当てて蒸すだけです。フローリングは木材でできているので、木が水分を吸収して膨らむことで凹みが元通りになるというわけです。
ただし、大きな凹みには対応できないので、注意が必要です。
ーフローリングの剥がれのDIY補修
フローリングの剥がれの修復は少々面倒です。木材に使える接着剤とエポキシパテが必要になります。剥がれている部分に接着剤を流し込み、上からしっかり押さえつけます。欠けている部分にはパテで埋めていきます。パテが硬化したら、サンドペーパーなどで平らになるまで削り、その後フローリングの色に合わせた塗料を塗る、という手順になります。
DIY上級者でもミスをしてしまう可能性が高いので、剥がれは業者に任せるのが一番ですね。
このように簡単にできるものから、少々手間のかかるものまでいろいろありますが、フローリングをDIYで補修することはできるのです。
■DIYでフローリングを補修する際の注意点
フローリングをDIYで補修できる、という話をしてきましたが、注意点があります。
まず、仮にどれだけキレイにDIYで修復できたとしても、賃貸の場合は部屋や家から退去する際に原状回復をしなければなりません。
その際に、経年劣化や自然に起こる損耗以外で付いたキズや凹みについては、借主が回復費用を負担する必要があります。DIYでの補修はあくまでも「一時的にキレイに直した」というレベルの扱いなので、キズや凹みが多いほど原状回復費用がかかり、敷金から引かれていくことになります。
また、紹介してきた通り、DIYでの修復はあくまで程度の軽いキズや凹みに対して行うものです。経年劣化で下地がボロボロになっているなど、修復の程度が重いものについては業者に任せるしかありません。賃貸であれば、この場合は大家さんや不動産屋に相談してもいいでしょう。
■DIYと業者への依頼はどちらがおすすめ?
では、フローリングを補修するにあたって、DIYで済ませてしまうのと、業者に入ってもらうのではどちらがいいのでしょうか。
まず基本的な認識として、フローリングの補修を本格的にやろうとするのであれば、ひとつひとつの工程を丁寧にしていく必要があり、それによって補修後の仕上がりも雲泥の差が出てきます。業者はプロですので、そのあたりはしっかりしていて、作業となれば完璧な仕上がりにしてもらえます。
一方、DIYの補修は上でも紹介したとおり、あくまで一時的な補修に過ぎません。根本的に直すというよりは目立たなくする、という傾向の強いものになります。ここが業者の補修との一番の差になります。
DIYでやるなら、業者に入ってもらうのに比べると圧倒的にコストは下がります。材料費だけあれば、あとは自分でコツコツやるだけです。その代わり、自分でやる手間もかかりますし、仕上がりも不安定になるデメリットがあります。
長い目で見ると、賃貸の場合でも原状回復は必須になるので、DIYでとりあえずの修理をするよりは業者に入ってもらってしっかり作業してもらい、その後フローリングを大事にするようにした方が結果的に手間もかからず、場合によっては安く済む可能性すらあります。
■業者に依頼するべきケース
フォローリングの補修を業者に依頼すべきケースはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
業者にお願いする場合は2つの選択肢があります。ひとつは現状貼ってあるフローリングを修理するリペアと完全に貼り替えてしまうリフォームです。当然、リペアに比べてリフォームの方が工程も工賃もかかります。
まず湿気などで木材にカビが生えてしまっている場合や程度の悪いキズなどはリペアでフォローできます。下地が経年劣化で傷んでいる場合やフローリングの木材自体が痛み始めている場合などはリフォームが必要になるでしょう。
基本的には土台から直さないとダメなケースやDIYでカバーしきれないキズや凹み、シミなどについては業者にお願いするしかありません。
■まとめ
ここまでフローリングの補修についていろいろ見てきました。
フローリングの補修は確かにDIYでもできます。しかし、プラモデルを作るように簡単にはできません。DIYにチャレンジすること自体は誰でもできますが、誰もがきれいに仕上げることはできないのです。
また、DYIで補修できるからといって、あちこちについたキズをそれでごまかし続けると、フローリング自体の状態を悪化させて結果的に業者にお願いせざるを得ない状況に至る可能性も十分あります。
いわゆるリペアであれば、1日で済み2〜4万円程度できれいな仕上がりの補修をしてもらえます。リフォームの場合はケースバイケースなので一概に言えませんが、こちらは相応にかかるでしょう。また賃貸の場合はリフォームまでする必要があるか、というところもあります。
また、別の選択肢として、キズを誤魔化すのではなく、床材自体を回復させる「再生」という選択肢もあります。これは張替えの半分程度の費用で、無垢や突板などの素材自体を80%程度回復させられるものです。
いずれにせよ、DIYで直せるのはあくまでちょっとしたキズだけで、素人の手に負えないようなキズが付いてしまったら、業者に入ってもらってリペアすることを考えた方が後々いい結果になりそうです。